めまい

”めまい”は身体の異常というよりも、バランスをとる仕組みの乱れから起こる不調です。

人間は次の３つの情報をもとにバランスを保っています。

１．内耳（平衡感覚）…三半規管や耳石器で頭の動きや傾きを感知

２．目（視覚情報）…自分の位置や周囲の動きを確認

３．筋肉・関節（体性感覚）…足裏や首、腰の感覚で姿勢を把握

これらの情報を脳が統合・処理して、身体のバランスを保っています。どれかが乱れると、脳が「身体が傾いている、動いている」と誤認識し、めまいが起こります。

めまいには主に次のタイプがあります。

①回転性めまい（ぐるぐる回る）

・内耳（三半規管）の異常が原因として多い（例：良性発作性頭位めまい症、メニエール病）

・耳の中で「動いている」と誤信号が出て、脳が混乱

・自律神経が乱れやすく、吐き気や冷や汗を伴うこともある

②浮動性めまい（フワフワ、ふらつく）

・脳幹や小脳、血圧の変動、ストレスなどが原因

・脳内のバランス処理が不安定

・姿勢保持の筋肉が緊張または不活性で、足元が弱い感覚

③立ちくらみ（眼前暗黒感）

・急な血圧変化（起立性低血圧）、貧血、脱水

・脳に一時的に血液が不足し、酸素・栄養が足りない状態

・くらっと一瞬視界が暗くなり、倒れそうになる

また首や肩の筋肉が緊張すると、脳へ行く血流や神経伝達が悪くなり、めまい・ふらつきに似た症状を引き起こすことがあります。これがいわゆる「筋緊張性めまい」です。

特に多いのが、長時間のスマホやデスクワーク、姿勢不良によるもので首～後頭部の筋肉（後頭下筋群）が緊張し平衡感覚に影響します。

”めまい”は身体のバランス感覚の混乱サインです。首・肩の緊張や血流の乱れも関係しているので、無理せず身体のケアを心がけましょう。